うちの子流~発達障害と生きる

発達障害を持つ子供たちとの日々をつづります。

スポンサードリンク

他者との境界のあいまいさ

これは娘も息子も共通してあることなのですが

話し始めたことの意味がわからないって、よくあるんです。

 「主語がない」

主語だけでなくもっと抜けていることもしばしば。

恐らく、自分の頭の中ですでに話が始まっていて

途中で私に何か言いたいことや聞きたいことが出てくると

いきなりそこから話し始めるのでこっちにはなんのこっちゃわからんと。

初めて読む本の途中だけ見せられている感じです。

舞台
舞台 / ajari
 

どうも前々から思っていたのですが

自分の分かっていること=人も当然知っている

と思っているっぽいのです。

なので自分の思考も人が理解していると思うらしく

途中から話してもわかるだろうってことらしいです。

例えば自分が楽しんでいる遊びの話をばーちゃんに話します。

その遊びのことはばーちゃんは知りません。

それでもまるで一緒に遊びをやっている仲間のような内容を話すんです。

「何の話か、どんなものなのか先に説明しないとばーちゃんはわからないよ」

と言われて初めてあ、そっか!になるのです。

 

このようなことは

アスペルガー症候群の特性としてよく言われている

「自己と他者の境界が曖昧」なことが原因だと思います。

 

これに気付いたのは夫の言動。

夫は子供と話をするときに最初は子供に話を聞かせているのですが

そのうち自分が喋ることに夢中になってしまい

明らかに子供が知らないであろう単語を並べます。

20年前に流行った物事も「○○って知ってるだろ?」と

小さい子に向かって話し続けます。

少し考えればわかるはずのことなのに

無意識に自分の知っていることは当然知っていると思っているのでしょう。

「誰に話してる?相手は6歳だよ?知ってるはずないよ?」と言って

初めて気づくようです。

 

子供は意味がわからないので他のことを始めます。

それでもしゃべり続けます。

相手が聞いているかどうかより自分が喋ることが大事なのです。

そして人の話もほとんど聞いていません。

子供が話について何かしゃべったり違う方向に行こうとしても

聞いておらず自分の話を続けています。

このあたりはよく言う「話が一方的」な部分です。

 

夫は娘とそっくり同じ特性を持っており

未診断ですが、おそらくADHDとアスペルガーだと思います。

 

他にも子供と出かける話をしていて、子供が準備してスタンバイしているのに

ふと頭の中で「やっぱり一人で行った方がいいか」と思ったら

何も言わずそのまま子供を置いて出かけてしまったり・・・。

自分の思考が相手に伝わっていると思うのでしょうか。

テレパシー使えねぇって。

 

思っているだけでは伝わらない、相手にわかるように話をする、

このあたりが非常に弱いようです。

相手に分かるように話をするというのも

想像力が必要になるのでこれも弱い。

ADHDの娘と夫の場合、

想像力と言うよりは自分の話したいことで頭がいっぱいで

他者のことまで考えが及ばないのが理由のように見えます。

広汎性発達障害の息子の場合、

どう話そうか考えに考えて余裕もなくうまく伝えられないような感じ。

 

娘と息子と夫と3人同時にぜんぜん違う話をしてくるので

わしゃ聖徳太子じゃねぇよ!!ってこともしょっちゅうです。

「ちょっとまって、今は娘の話を聞きます。後で話を聞くからね。」

これも状況判断の弱さなどが関係しているのでしょうか。

 

余談ですが、娘と夫が以前話していたのを横で聞いていたのですが

ゲームの話を二人でしていて(テーマだけ共通)

どうも話がおかしいな~と思っていたら

それぞれ全く違うゲームの話を「会話」していたのです。

2人とも自分の言いたいことでいっぱいで

適当に相槌を打ちながら全く相手の話を聞いていないので

違う話をしていることに最後まで気づいていないのです。

お互いに言いたいことを言い切って聞いてもらえた(と思っている)

満足感で話が終わります。もうコントですわ・・。

 

息子の母子通園療育で

息子の意味の通じない話に先生が

「何かの話をするときは『○○の話をします』を最初につけましょう」

と指導してもらい、少しずつ改善はしているように思います。

娘は通級指導教室でお話タイムを設けて

5W1Hを使い、相手に伝わりやすい文章を教えてもらっています。

自宅でも意味がわからない会話の時に

その都度どう言ったら相手に伝わりやすくなるか一緒に考えています。

 

色んな特性が絡み合った問題ですので積み重ねても難しいのかと

思っていましたが、

最近、娘と息子の会話を聞くと、ちょっとずつ成長が見られているようです。

共通の話題が多いので説明がいらないのもありますが

相手の話を聞いていたり、

わからないことはきちんと尋ねたり説明も出来ています。

コミュニケーションにおいては本当に本当にカメの歩みですが

苦手なことに見えた進歩は嬉しさも何倍にも感じます。

スポンサードリンク

 

「発達障害特性」の関連記事

当ブログはAmazonアソシエイト・プログラムの参加者です。

当ブログではGoogle AdSenseを利用して広告配信をしています。