うちの子流~発達障害と生きる

発達障害を持つ子供たちとの日々をつづります。

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怒ると叱るについて。

 先日フォロワーさんからこのようなツイートが流れてきました。

人間だから仕方がないけども感情的に怒ることは子供にとってよくない。

そんなことは重々わかっているのですが、

うちの娘の場合、人の感情をぶつけることが

必要だったと思う私の言い訳を今日はつらつら書きたいと思います。

たぶん私のやり方は子供にとって間違っていると思っていますが

今の私に他に方法が見つからないのです。

 

娘の小さい頃、発語は普通にあって、会話も出来ていたのですが

ほとんどが娘の方から一方的な話で

(これは小さい子なら当たり前ですが)

こちらからの働きかけは自分が気が向くものだけに反応し

自分の意思に反するものには一切無反応でした。

危険な状態の時に「危ない!」とか「ダメ!」も全く無視でした。

仕方がなく体を抑えて制止するのですが、全力で暴れ抵抗します。

当時、周りに同じくらいの子供が近くにいる環境になかったので

子供はこんなものかな~、まだ言葉がよくわかってないのかな~

くらいに思っていました。

なので言葉でダメと制止したりこうするよと教えたりすることはあっても

感情的に怒ることはありませんでした。

ある時実家に戻ってまだ0歳だった甥が

「ダメ!」と言われて行動をやめたのを見て本当に驚きました。

娘はその時2歳。よく考えたらべらべらしゃべっています。

娘は言葉はわかっていてこちらの指示には従うことはない。

わかっているけども従いたくないのだと気付きました。

 

娘は動くもの、音のするものに強烈に惹きつけられます。

おそらく小さい頃の娘にとって自分以外の人は

動くし音がするし自分に反応してくれるおもしろいものくらいしか

認識していなかったのではないかと思います。

たぶん、今でも自分以外の人(特に家族)にも自分と同じような感情や

自分の意思で動く権利があることを頭では理解していても

感覚ではつかめていないと思います。

家ではテンションがあがると自分の思い通りに

力ずくでコントロールしようとすることがよくあります。

自他の境界の曖昧さがあるのです。

 

初めて娘に感情的に怒った日のことをはっきり覚えています。

息子を出産し退院して実家に息子と一緒に戻った日。

娘はその間実家に預けていました。

淋しい思いをさせただろうとしっかり抱きしめて

かまったつもりだったのですが

どうしてもみんなの注目は新しい家族である赤ちゃんに向かいます。

自分が注目されない事にやきもちをやいたのでしょう。

少し目を離した隙に娘が息子の目のそばを激しくひっかき

出血させました。(たぶん目を狙っています)

これには流石にかなり強くやってはいけないと叱りました。

が、やはりいつも通りガン無視。

とうとう私も爆発しました。こっちは怒ってるんだ!!と

娘に怒りの感情をぶつけました。

怒鳴ったことで初めて娘がこちらの感情に反応しました。

泣きました。たぶん何がいけなかったかというよりびっくりしたのでしょう。

びっくりするだけではまた同じことを繰り返す。

二度と息子に手を出さないようにしなければならない。

そう私は思い込んでガンガンに娘を責めました。

よくないことなのですが、ごめんなさいを言うまで怒り続けました。

ごめんなさいをどういう時に言うのか前から教えてはいたし

幼児ビデオなどでも見ていましたが

娘は他人に感情があることをおそらく認識していなかったので

自分がいけないことをして人に謝るという状況もわかりません。

なのでその時初めてごめんなさいを言ったのです。

いえ、私に無理やり言わされたのです。

 

おそらく娘にしてみれば生まれて初めて

自分以外の人間の感情を認識した場面でした。

それまで感情的でなく叱っていたことは言葉はわかっても

全く意識に入っていなかったと思います。

怒りだけでなく、喜ぶことも悲しむこともそれまでは人に同調すると

いうことはほとんどなかったと思います。

 

診断のついた今となって思えば

娘は思考の多動があり頭の中は常に何倍速で動いています。

強い好奇心と飛び散る注意力を持っているので

自分のしたい事で頭の中はいっぱいで

人の感情の動きにまで気を向ける余裕がないのです。

人の感情を娘に知らせようとする場合、

怒りのようにかなり強烈なインパクトがないと届かなかったのです。

今は娘の成長と服薬による底上げで

落ち着いている時は人の気持ちを理解することは出来ます。

自閉症スペクトラム=人の気持ちがわからない、のでは決してありません。

 

その後のことは過去記事に書いています。

余裕がなく歯止めが効かなくなった私は娘にひどい仕打ちをしていました。

娘に診断がつくまで ② - うちの子流~発達障害と生きる

 

診断がついて親子で試行錯誤しながら

昔ほど歯止めが効かなくなることは少なくなりましたが

今は怒らないかというとやっぱりしょっちゅう怒っています。

怒ってるぞ!という姿勢を見せないと娘は止まりません。

昨日こんなことがありました。

息子が連絡袋から学校でもらった書類を取り出すと

娘が「私の勝手にとるな!!」(手が同時)に

無理やり息子から取り上げました。

息子はパニックでギャー!!

娘の同じ書類は娘の後ろに置いてあります。

学校から持って帰ったものだから同じのがあっても不思議はないのに

娘は「自分のを盗られた」と思い込み暴走が始まってしまいました。

私が止めに入ったら必死で弟が盗んだ!!自分のものだ!!と訴える娘。

 これは弟のものだよ、あんたのは別にあるよ、同じものなだけだよ

といくら言っても全く娘の耳に届きません。

仕方がないので大声で怒鳴りました。

「これはあんたのじゃない!!あんたのはこれ!!」

と目の前に持ってきて初めてはっ!と我に返る娘。

そこからやっと落ち着いて話をすることが出来ました。

自分には思い込みで止まらなくなる特徴があること、

手を出す前に言葉で落ち着いて確認をすること、

どういう理由があろうと無理やり力ずくで取り上げるのはいけないこと。

静かに聞いて反省をしたようです。

特性だからまたやってしまうんですが、少しずつ自分の理解を深めて

コントロールできるようになってくれればなぁと思っています。

 

思い込みで暴走している時はパニックなのでしょう。

落ち着かせるために抱きしめようとしても

「私の意思を遮るものは触れるでない!!」(どこの女王様じゃ)

と言わんばかりに激しく拒絶します。

危険な暴走車を止めるために

娘以上のテンションで怒鳴るしか今の私には方法がありません。

そうしないと息子を守ることが出来ない状態です。

 

怒鳴ることは確かに娘の心を傷つけていると思います。

でも家族と暮らしていく以上、娘だけを守れば

息子は常に理不尽な思いをしなければなりません。

ただ、怒鳴った後になぜ怒ったのか、どうして怒られたのかを

落ち着いた後に本人の納得がいくまで話し合うようには心がけています。

怒るけども褒めることも出来るだけがんばっているつもりです。

娘のような特性を持っていると

「叱る」だけではどうしようもない時があるんですわ、

という長々と私の言い訳でした。

かーちゃん、怒ってばっかりでごめんよ・・・。

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