発達障害の診断がついてから約8年、現在娘は小学6年、息子は小学4年になりました。
子供たちも少しずつ成長し様々な変化がありました。現在うちが受けている学校からの配慮と子供たちの近況をざっくりとまとめてみました。
学校では順調に適応している娘
ADHDとアスペルガー症候群(現在の診断名だと自閉症スペクトラム)をもつ娘は通常学級に在籍しており、幼稚園のころから様々な配慮をしてもらっていましたが、現在ではほぼ特別に配慮をしてもらうことはなくなりました。担任の先生や学校は娘の特性をよく理解してくれていますので、忘れ物できつく叱られるようなことはありませんし、気を使ってくださってはいると思います。忘れ物は相変わらず多いですが現在は自己管理に任せています。
日々あまり変化がないように思えて、振り返ってみれば娘もずいぶん成長したんだなぁと思います。家ではまだまだトラブル続きではありますが、学校では順調のようです。
娘は一対一の付き合いはよいのですが複数で付き合うことに苦手があり、幼稚園の頃から一人で好きなことをして過ごしていました。やりたいことが次々と浮かぶ子なので一人であっても全く苦痛はなかったようです。幼稚園の頃に無理やり周りの子供たちと遊ばせようとして夜中に叫びだしたことがあったため、それ以降ひとりでも本人が辛くなければいいとしてきました。
ところが1年ほど前、娘がなんか浮いてるんじゃないか、ひとりが寂しくなってきた、と言ってきたのです。つまり友達が欲しくなったと。
これも周りが見えてきたという成長の証なのだろうなと思いました。
しかし、周りはみんな小さい頃から人付き合いをしてきて、娘はそれを避けてきただけに圧倒的にスキルの差はあります。待っていても仕方がないので自分から友達になりたい人に声をかけてみること、自分が話したいことだけ一方的にしゃべらず相手の話を聞くこと、一緒に遊ぶときは突然違う行動にでないことなど、相手に合わせることを意識してみれば友達ができるんじゃない?と軽くアドバイスをしました。
その後、クラスの中で何人かのグループに入ることができて一緒に行動しているようです。
ただ家では永遠の反抗期に変わりがないことはちょっと大変ではあります。自動的に外と家ではスイッチが切り替わるのでジャイアン全開です。学業のほうも学校では問題ないのですが、公立中高一貫校を希望しているのにイマイチ・・いやヤバイレベル。家でやりたいことが多すぎて勉強が遅れに遅れています。
それでも日々自分のやりたいこと好きなことを次々みつけてはキラキラモードで過集中している娘です。
大きくなるにつれ難しくなる息子
一方支援学級に在籍している息子のほうですが、小学校2年の3学期から学校に行きづらくなっています。一年半ほど今も継続中。不登校にはなっていませんが、2時間目や3時間目から登校することが多く、ほぼ毎日学校に連れて行っています。
小さい頃から大人しくいうこともよく聞いてあまり手がかからなかった息子。年中のころに通っていた療育で「大きくなるにつれ問題がでてくるだろう」と言われたことがあります。まさにビンゴ。
たぶんそれまで必死でがんばっていたのがぷつんと糸がきれてしまったのでしょう。インフルエンザでしばらく学校を休んでからぱたっと行きづらくなってしまいました。
それから聴覚過敏で人数の多い学校が辛いこと、周りがしゃべっていると先生の指示がほぼ聞き取れていないこと、グループでの話し合いは誰が話しているのかすらわからないなど、次々と息子の困難がわかってきました。
朝の集団登校では、班で並ぶ位置が決まっているのですが、列が乱れたり順番が変わるとどこにいていいのかもわからずとても困ること。勉強で特に問題がないのになぜ支援学級なのか何度もいろんな人に聞かれるのが辛いこと。大人しいために時々からかわれたり、人目が異常に気になること。
これらは小さい頃からあったのでしょうが、自分から言葉にすることもできず我慢していたのでしょう。息子は家ではよくしゃべるのですが自分の気持ちを言語化することが難しいのです。そして外ではよほど慣れているところでしかしゃべりません。
学校では息子が学校で感じる困難を極力減らせるよう様々な配慮をしてくださっています。登校班は参加しないことにしてもらいました。支援学級に在籍している理由も交流学級の担任の先生から説明してもらったり、デジタル耳栓などを使うのもまずは周りのお子さんたちに説明をしてもらったうえで使ったり。
息子が学校に行きやすいよう、理系の大学生の方が学生ボランティアで学校に来てくださっていました。息子と数学の話をしてくれていました。(これは、そういう制度があるとツイッターで聞いたので、学校にお願いしたら募集してくれました。半年間きてくださっていました。)
基本国語と算数は支援学級でうけて他の科目は交流学級(普通クラス)で授業を受けていますが、本人が辛いときは支援学級で全部授業をうけることもあります。
家で休息できるよう宿題も算数は必要ないのでパス、国語は学校で済ませてくるようにしてもらっています。
問題が新たにわかるごとにケース会議をしてもらい対策を考えていただきました。
学校の配慮と協力のおかげでなんとか不登校までには至らずにすんでいるのではと思います。本当にいい先生方に恵まれています。
息子自身も学校に朝から行けるようになりたいといいます。それでもどうしても辛いしんどい。そのジレンマで本人も苦しんでいます。
不安が強く夜布団に入ると心配な妄想が止まらなくなることもあり、不眠傾向にあります。現在お医者さんでメラトニンを処方してもらい(メラトニンは薬ではなくサプリメントなのですがお医者さんでもらっています。)寝入りは少しよくなったのですが、中途覚醒がひどく夜中に何度も起きてしまいます。それで朝はおきてもなかなか体が動かないんですよね。特に冬場は冬季鬱傾向があり、ますます動けません。
学校に行き渋る息子に色々話す。どうしても行くのが辛ければ行かないという手段も選べる。息子はいつも行かないとどうなるの?と聞いてくる。別の居場所を探すか、家で勉強するか、それは手伝うことができるし、学校に行かずに大人になって自立している人もいる。でも将来の選択肢は狭くなるかもよと。
— なないお🍀当たりの宝くじ (@Nanaio627) 2017年9月2日
君の苦手な人と関わることは、社会で生きて行く上で避けては通れない。子供の頃から少しずつでも慣れていかないといけない。これだけは家では学べない。いろんな人がいる学校は少しずつ練習して行くのには適した場所であることなどをゆっくり息子に話す。
— なないお🍀当たりの宝くじ (@Nanaio627) 2017年9月2日
で、行ってしまえば楽しそうに帰ってくるんだよね_(┐「ε:)_
— なないお🍀当たりの宝くじ (@Nanaio627) 2017年9月2日
息子の場合はなぜ学校に行かなきゃいけないのかがイマイチ腑に落ちてないのも行き渋りの原因なのでこういう話をする。
— なないお🍀当たりの宝くじ (@Nanaio627) 2017年9月2日
あくまで対応にはその子その子の見極めが必要です。同じ診断名だから同じ対応とはいかない。
— なないお🍀当たりの宝くじ (@Nanaio627) 2017年9月2日
塾がもうひとつの居場所
息子は家庭学習などでいろいろ試してもどうしても文章がかけるようにはなりませんでした。外部のテストで数行書き込むものでもいつも真っ白。夏休みの一行日記すら書けません。どうにかならぬものかと思っていたら、ある塾の先生が必ず書けるようになると太鼓判をおしてくださったのでお願いすることにしました。3年生から通っています。
塾では成績順に席が決められるので成果が目に見えること、授業の進みが速く息子の学習テンポにあっていること、周りの子供たちも静かに学習に取り組むこと、授業とテスト以外のことがないなど環境は息子にとても合っているようで、行き渋ることもなくがんばっています。成績も順調で文章も少しずつ書けるようになりました。大人しい子ですが負けん気だけは強いので、学んだことが点や順位で評価されるのは嬉しいようです。勉強をがんばることで塾が彼のもうひとつの居場所になっています。
この本、タイトルは過激ですが子供の特性に寄り添いつつ、先を見据えて対応していくヒントが盛りだくさんでした。
わが家の合理的配慮の行方
以前から合理的配慮として息子の算数の授業をタブレットを使った自習にしてほしいと学校や市教委にお願いしてきていました。何度か話していたのですが、読み書きに困難がある学習障害ではないので、合理的配慮にはあたらないのではと却下されてきました。
昨年新しい校長先生になったので懲りずにまたお願いしてみました。
文科省の対応指針にある「合理的配慮は、障害者がその能力を可能な最大限度までに発達させ、自由な社会に効果的に参加することを可能にする目的の下」という文言をもとに、すでに中学数学まで修了した息子に小学校の算数の授業を受けるのをやめて自習で数学を学ばせて欲しいとお願いしました。息子は授業動画を使い自分でどんどん学んできたという実績もあります。
結果、学齢以上のことは学習保証には当たらないのでタブレットやwifiの持込は認められないけども、算数の授業を本人の苦手とする作文や国語の学習にあててはどうかという提案をいただき、それで合意しました。
自分に必要な勉強にあてることが出来るのは息子本人も喜んでいました。(というか今までのわかりきっている算数の授業はやはりイヤだったようです。)
アメリカなどでは2E教育は特別支援教育として行われているようですが、日本では現状、学習の進みが早い子の困難は困難とはなかなか認めてはもらえません。
やっと感情を表現しはじめた息子
息子は大人しく手がかからないといいましたが、最近ちょっと変化がありました。
昨夜煽り入れてから怒ってずっと口をきかなかった息子がやっと口を開いた。
— なないお🍀当たりの宝くじ (@Nanaio627) 2017年8月30日
「これを言うとこれからの数年が変わるかもしれない。」
いいよー、なんでも言いな〜
「反抗期きたかもしれない」
あらめでたい。
息子「でも早すぎない?」
— なないお🍀当たりの宝くじ (@Nanaio627) 2017年8月30日
いや、遅すぎ。イヤイヤ期なかったし。
最近、イライラして暴れるようになりました。
生まれつき手がかからなくて感情表現が難しい息子が、この頃怒りを出して暴れるようになったことを私はいいことだと思っているのだけど、これで正解なのかは迷いがある。
— なないお🍀当たりの宝くじ (@Nanaio627) 2017年9月8日
表に出さず蓋をして押し殺していればいつか腐る。表現することで表に引きずり出してから向き合って乗りこなすというのがいいんじゃないかなーと思っているんだけどどうなんだろう。あんまり自信ない。
— なないお🍀当たりの宝くじ (@Nanaio627) 2017年9月8日
誰にでも攻撃性や怒りの感情はある。見てみないふりやなかったことにしちゃいけないように思う。あることを認めた上でどう扱うかを自分で考えて行かなきゃいけないんじゃないかなーと思って、今の暴れる息子にそれでOKと言ってる。
— なないお🍀当たりの宝くじ (@Nanaio627) 2017年9月8日
でも暴れる条件として人に向けない家を破壊しないと言ったのを忠実に守って、叫びながら人ダメクッション投げてるところがかわいい。
— なないお🍀当たりの宝くじ (@Nanaio627) 2017年9月8日
息子の次の目標は出てきた感情の言語化。言葉で表現できたら暴れなくても済む。
— なないお🍀当たりの宝くじ (@Nanaio627) 2017年9月8日
しかし息子にはとても難しいことだし、DBだから運動不足解消にもうしばらく暴れさせててもいいかなww
ストレッチポールは通級の先生に勧めていただいたのですが、一度のったら子供たちが気に入ったので買いました。体幹の弱いADHDの娘によいということでしたが、疲れやすく不眠の息子にもよいようです。お安いものも色々でていますがLPNのものが絶妙な固さでよいそうです。使い方のDVDや説明書もついていました。
今のところ息子は気持ちの切り替えが難しいので、長時間暴れたり不機嫌でいますが、すこーしずつ自分で感情を乗りこなそうとしているところが見えます。
よく従順な大人しい子は思春期で爆発すると聞きますが、今のうちから感情と向き合える練習をしておくことで、少しずつガス抜きが出来るのではと思っています。
きっと彼なら自分の湧き出る感情と折り合いをつけられる時がくるんじゃないかなと思って見守っています。
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