うちの子流~発達障害と生きる

発達障害を持つ子供たちとの日々をつづります。

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気付くことと、なんともならない困った人の話

スズコさんのエントリーを読ませていただきました。


 気付くということから自尊心との付き合い方を考えられていらっしゃいます。

本当に前向きで素敵だな~と思いました。

記事を読んでの私のツイートの一つがこれです。

このなんともならない困ったさんというのは

ちきーたさんのツイートから思いついた言葉です。

後で書きますが私の身近にも似たような人がおり、

ちきーたさんと同じような思いを抱えていました。

今回はこのなんともならない困ったさんとスズコさんのエントリーにあった気付くと

いうことについて自分なりの考えを述べさせていだだこうと思います。

いつもとは違って子供の話ではなく

ネガティブな内容や、ある種の方々への批判的な内容を含んでいます。

別のブログに書こうかと思ったのですが、

発達障害に関連がある内容になるのでこちらに書きました。

ご気分を害される方もいらっしゃると思います。

イラッときたらそっと閉じて頂けますようお願いいたします。

以下、内容的に文体も変わりますがご容赦下さい。

 

このツイートので言いたかったのは
保身のために他者批判や被害者意識という甘い果実を手にしてしまうと
気付くステージにはなかなか上がろうとしない。
それに依存した方が圧倒的に楽だからということ。


ある程度年齢がいってから気付くステージに上がろうとするのは容易ではない。
物によっては長年自ら蓋をしていた「見たくない自分」を
わざわざ掘り起こしてじっくり対面しなくてはならない。
フラッシュバックを伴ったり、心に血反吐が出るほどの作業だ。
難しい子育てもまた自分自身を見つめる作業の連続。
見たくない自分と直面しつづけなければならない。


「障害」と呼ばれる特性を持って生まれたのは自分のせいではない。
もちろん人のせいでもない。
一見普通に見える、見た目でわからない障害だから
理不尽な扱いを受けて腹立たしいことも多い。
無理解に泣くことも多い。
その為の正当な抗議は自分を守るために必要だと思う。
ただ、抗議することから得られる正義感や安心感に陶酔をしてしまい、
その心地よさに依存してしまいがちになる。
攻撃されればされるほど保身に固執するようになってゆく。
それは危険なのではないかと思う。
障害の特性は自分のせいではない。
ただ、大人になればその特性によって引き起こされる不都合に
全て責任を取らないというわけにはいかないのだ。
不都合を被害者意識や責任転嫁でその場限り揉み消していれば
必ずどこかにしわ寄せがくる。多くの場合は周りの人だ。

 

保身に走れば自分はその場を楽にやり過ごすことが出来る。
しかし過度な他者批判や被害者意識は周りにストレスをまきちらす。
自分は正義のマントを身にまとっているつもりだから
周りのストレスに気付くことすら出来ない。
認知に困難を抱えていることも拍車をかける。
次第に周りから人が離れていくか攻撃の対象となる。
自分が攻撃していることに気付いていないから
理不尽に思い更に被害者意識を強めていくのループ。
結局は自分で自分の首を絞めているのだ。

ここまでこじらせてしまうと自分で気付くステージにあがることは
そうとう難しいのではないかと思う。
このループで自転車操業のように
自分の精神のバランスをかろうじて保っているのだから
これを根底から覆す作業は
崩壊を意味するからだ。
それに無意識に恐怖を感じているからこそ
自分に不都合な話に耳を傾けることはしないのだ。
「なんともならない困ったさん」の完成である。

「なんともならない困ったさん」は発達障害関係なく
そのループにはまってしまう可能性は誰にでもあると思う。
実際たくさんいるのだろう。
ただ、発達障害があると
悪意はないが思ったことを周りに配慮なく
そのまま口に出してしまう特性を持つ人も多く、
相手を傷つけてしまうことはしばしばある。
それがもとでトラブルになりやすい。
本人に悪意がないのだからなぜ自分が
人から怒られるのかも理解しづらい。
怒っている相手が詳細な理由を説明してくれるわけもなく
理不尽な気持ちを抱えてしまう。間違ったことは言っていないのにと。
理由がわからないことで叱責を受けてパニック状態なので
自分の言葉で相手を傷つけたことにまで考えが及ぶことは難しい。
自己肯定感も低くなりがちで、
このループにはまるリスクは大きいのではないかと思う。
私も似たような特性を持つので気付いていないだけで
片足突っ込んでいるのかもしれない。


残念ながら人間の頭は意識しないと年齢とともにどんどん硬くなりがちである。
今まで生きてきた中での嫌な経験やトラウマ、
思い出したくない過去がゴミとなってたくさんたまってしまって
動脈硬化を起こしてしまう。(実際の血管の話ではありません)
なかにはうまく行った経験に固執し思い込みを強化してゴミになっている場合もあるだろう。

それでも血を巡らせないと生きていけないから
血圧を上げざるを得ないのだ。

気付く作業はそのゴミをひとつひとつ片付け
自分の中で折り合いをつけること、
更にゴミを増やさないための工夫をすること。
とても大変で精神的に苦痛を伴う作業だ。
でも結果として血圧を下げ、自分を楽にする。


なんともならない困ったさんはこのゴミを相当貯めている。
自分のゴミを人にまき散らせて生きてきたため
周りから更に大量のゴミを投げつけられている。
そのことで更にコンプレックスを深めていく。
これを掃除しようとすれば心筋梗塞や脳梗塞を起こしかねないのだ。
だから決して掃除をしようとしない。

逆に言えばなんともならない困ったさんのほうが
元々多くの困難を抱えて生き辛かったのではないだろうかと思う。
でもそれは人を攻撃していい正当な理由にはなりえない。


私の身近にもこのなんともならない困ったさんがいる。
結構な社会的不適合を起こしていて生き辛そうなのに
その人に言わせれば原因は「社会のせいだ」「時代が悪い」「運が悪い」
自分と違ってうまく世を渡っている人は「陰で悪いことをしている人」だそうだ。
今流行りの右傾化や差別主義の波に乗ってヘイトを日常的にまき散らしている。
流行りと波長がぴったり合ってしまったのだろう。
その人にとってはヘイトも正義のつもりだから
周りの不快感など微塵も感じとってはいない。
自分の主張に共感できない人や違う意見を持つ人は全員「頭の悪い人」と言う。
常に相対的な悪や下位を自ら想定し続けなければならない。
些細な勝ち負けに固執する。これは子供の一番病とは違い
自分が社会的に負けていると思っているコンプレックスの裏返しのように見える。
両極思考で○は善、○は悪、とグレーや多様性の発想がない。
そして年を取るごとにこの傾向が顕著となっているようだ。
人を見下すことで自分の劣等感を隠そうとし(丸見え)
優位に立った(つもり)で自尊感情を補う。
叩けるものを手当たり次第探しては自分の溜飲を下げる。
自慢できることを誇張し繰り返しては、
小さなプライドにしがみ付いている。
なので自分が失敗したことを認めることは許せない。
物が見つからなくても自分が元に戻さなかったことが原因だと認めることはせず
誰かが勝手に移動したとかあの時は忙しかったなどと
なにかと理由をつけては自分のせいじゃないことにして納得する。
他の理由で自分が被害にあったということにしてしまうので
失敗の原因を探ることもなく当然工夫しようともしない。
だから何度も同じ失敗を繰り返す。
可愛そうと言えば可愛そうなのだが、
実害を受けている周りの人間にとってはたまったものではない。
長年の葛藤の中で
その人に気付きを促そうなどと考えるのは自分の驕りであり
無駄だと悟った。
現状で縁を切ることは容易くないので
出来ることは可能な限り実害を被らないよう避けるだけだ。
本当はもっといい道があるのかもしれない。
でも私にはこれが限界だ。
子供達と自分を守ることを優先せざるを得ない。


言い方は悪いが私はできれば子供達にこんな生き辛い人生を歩ませたくはない。
成育歴や環境や元々持っていた性質もあるだろうが
発達障害の特性が色濃く関係しているのも事実だと思う。
環境次第では同じ道をたどってしまうだろう。
私は子供達を気づきのステージへあげて行きたい。
自分の心を守りながらも己を振り返る術を一緒に見つけて行きたい。

人は知ったり身の回りで起きた出来事を
自分の物差しの中で解釈をしようとする。
それしか材料がないからだ。
今回の話も私の持つ短い物差しの中で考えたこと。
大きく偏った考えかもしれない。
自分の心地よさは大切だからどうしても近い感性を持った人の中に居座る。
私ももちろんそうしていると思う。
その中で得る安心感で自分の不足を補っているのだ。
しかしそれは自分の物差しを更に硬く短くする危険も孕んでいる。

自分の物差しで測りきれないものにいかに触れる経験を多く持つか、
それを容認するための想像力を持てるか。
自分に当てはめて振り返ることは出来るか。
私は自分自身に認知の偏りがあることを自覚しているので
尚のこと色んなものに触れて自分の中の不都合な歪みを是正していきたい。
材料を多く持つことで視野を広げていきたいと思うし
子供達にも自分で考え、振り返るための
材料に多く触れる環境を用意したいと思っている。

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