うちの子流~発達障害と生きる

発達障害を持つ子供たちとの日々をつづります。

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おうむ返しと遅延エラコリア

発語が少し遅かった上に発音がとびきり悪く

なかなか自分の言う言葉が通じなかった息子。

今では言語性IQのほうが優位なアスペルガーですが、

小さい頃は「おうむ返し」が頻繁でした。

おうむ返しは「エラコリア」と呼ばれ自閉症スペクトラム児に

よく見られるものだそうです。

エラコリアの中でもその場で繰り返す「即時エラコリア」と

後で何度も繰り返す「遅延エラコリア」があります。

息子は小さい頃、即時エラコリアが多かったのですが、

今では遅延エラコリアで一日中しゃべっています。

 

おうむ返し(即時エラコリア)はこちらの言った言葉をそのまま反復します。

「なにかのみたい?」

「なにかのみたい?」

「コップ持ってきてくれる?」

「もってきてくれる?」

娘にはほとんどこのようなことはなかったのですが

発語の遅かったこともあり、言葉を繰り返して

一つ一つ覚えているんだろうな~くらいにしか当時は思っていませんでした。

実際におうむ返しがある時は何をしていいのかよくわからない時だったり

言葉の意味がよくわからない時だったり確認している時だったり。

徐々に多くの言葉を覚えていくと、おうむ返しではない返答が増えてきました。

つまり言語を習得していくための彼なりのやり方だったのではと

今となっては思います。

息子は言葉が出る前からこちらの言うことはだいたい理解して行動していたので

息子の言語理解に問題は感じていませんでした。

専門家ではないので確実なことは言えないのですが、

毎回のおうむ返しでイラッとすることや心配になることはあるでしょうが

出来ればそのままにしてあげるか、言葉を理解できていないようなら

違う言葉や行動や絵カードなどで意味を伝えるなどにすると

言葉の習得の助けになるのではと思っています。

言葉が遅いと育てる方としては焦りが出てくるのですが、

無理に言葉をしゃべらせようとするよりも、まずは意思を伝えられる

コミュニケーションが取れることの便利さを

しっかり感じ取ってもらうことが大切だと思います。

 

これはうちの子を育てていての私の想像ですが、

即時エラコリアは言語習得の過程で、

コミュニケーションの遅れや偏りから来るのではと思います。

小学生になった今でも会話の途中に知らない単語が出ると

子供達はその場で意味を尋ねています。

前後の流れから意味を想像するということが弱いので頻繁に聞いてきます。

そうしながら語彙をどんどん増やしていっているようです。

遅延エラコリアの場合は自分が安心するためや楽しみのための

こだわり行動のように見えます。

 

逆に娘は全くこちらの言うことに対して反応なかったので

言語理解が出来ないのかと思っていましたが、

特性で自分のやりたいことが最優先で

人の言うことなんて聞いてられっか!ってあたりだったようです(苦笑)

娘はべらべらしゃべっていましたしね。

わかってるけどやりたくないから

というよりなんでやりたくないのに人の指示に従うべきかを

全く理解していなかったのでしょう。

 

息子の発音は徐々に徐々によくなり、

流暢にしゃべりだした頃には即時エラコリアはほとんどなくなりました。

クレーン現象(親の手を引っ張ってなにかを取ってもらったりすること)も

小さい頃はよくありましたが、会話がスムーズになるとこちらもなくなりました。

同時に一日何時間もわめきっぱなしだった癇癪も減りました。

癇癪も自分の意思が伝わらないもどかしさがあったのだと思います。

言語というコミュニケーションをある程度自由に使えるようになったので

必要がなくなったのでしょうね。

そうすると目立つようになってきたのが遅延エラコリア。

CMやアニメのセリフなど覚えてそのまましゃべることは

普通のお子さんでもよくあることなのでしょうが、

息子の場合は3歳ごろからよく見るDVD一本丸暗記したりしていました。

特性上、同じものの繰り返しは安心するらしく

いつも見ているDVDをセリフを同時に言いながら見ます。

あー、全部覚えているんだなーくらいでさほど気には留めていませんでした。

そこから7歳の今に至るわけで

秋にあった学習発表会で「おおきなかぶ」のお芝居を

交流学級のクラス皆でやったのですが(息子は支援学級在籍です。)

20分ほどのお芝居の全セリフを覚えて

毎日お風呂でしゃべり続けていました。

それを今でも時々思い出してやっています。

最近は大好きな「妖怪ウォッチ」をipadで繰り返し見ているので

これも30分すべてのセリフを暗記してずーっとしゃべっています。

ヒマな時は、ずーーーっと妖怪ウォッチのセリフ。

一人でまたやってるな~で済めばいいのですが、

時折問題を混ぜてくるんですね(汗)

「このあとコマさんはなんて言ったと思う?」とか。

いや、母さんそこまで知りません・・・。

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(クリスマスプレゼントのコマさん着ぐるみでご機嫌の息子)

 

妖怪ウォッチをipadで見る時もおもしろいシーンは必ず

「ねえ、見て見て!」と一緒に見て欲しそうにします。

今まで自分から甘えてきたりすることがほとんどなかった息子なので

最近、そういう共有体験を欲しているのかなと

出来るだけ付き合うようにはしています。

でも妖怪ウォッチは彼にとっておもしろいところ満載なので

ほぼ全部「みてみて!!」のため、そこまで張り付いていられない~。

それも毎日何話も続けて見てるし~。


 今妖怪ウォッチは見放題みたいです。これで毎日見ています。

 

学校や外ではやりませんが、家の中での息子の遅延エラコリアは

かなり激しいものだと思います。

トイレでもお風呂でも一人でずーっとしゃべっています。

(学校や外出先ではあまりしゃべらず大人しい子です。)

もしかして発達障害かも?と思われている時点の方にとっては

ちょっとヘンなこの行動は不安がいっぱいになるものなのでしょうが、

既に診断がついているうちでは、特にこれで周りが困ることはないので

(たまに娘の宿題中にやると集中出来ないので別室隔離しますが)

(ついでにトイレでエラコリア絶好調で出てこない時は困りますw)

好きなだけやってもらってます。

というより、すっごい楽しそうなんです。エラコリアやってる時の息子。

なんで繰り返しているのか、たぶん聞いても明確な理由は

本人の口からは聞けないだろうなと思うので、聞いてはいませんが

たぶん、息子にとっては、ただ楽しいんでしょう。

同じことの繰り返しに安心する自閉症スペクトラムの人は多いですし、

楽しい自分の世界の中に没頭している幸せな時間なのかもしれません。

 

息子は言葉遊びも大好きで何かを一文字変えてはゲラゲラと楽しんでいます。

造語遊びも発達障害児によく見られると聞いたことがあります。

息子もよく新しい言葉を作って遊んでいます。

オヤジギャグというか、ダジャレと言うか、

そういうのでいつも自分でバカウケ。

「おおきなかぶ」も繰り返しもやっていますが

「おおきなかぶ式会社」の話になったり、

おじいさんたちとカブとの壮絶な戦いの話になったり

「そこで犬がかぶに噛みついた!!うおおおおお~~~!!!

 もぐもぐもぐ・・・おいしい。」とか

色々とおもしろおかしく変形させて楽しんでいます。

 

エラコリアと直接関係しているのかどうかはわかりませんが

娘の場合は、リズムや音楽を繰り返します。

ある歌のフレーズを延々繰り返し歌ったり

鼻歌が止まらなかったり。

CMなどの音楽が頭から離れなくなったことなら

多くの方が経験あると思うのですが、それの激しいバージョン。

リズムは常同行動で壁や机を激しいスピードでどんどこ叩いています。

これは流石に家中響いて迷惑なので、壁を家具に変えたり

我慢してもらったりしています。

娘が以前、こんなことを言っていました。

「頭の中でずーっと音楽が流れてるの」だそうです。

これは思考の多動との関係なのかなと思います。

なにも考えずぼーっとすることが出来ないので、常に思考は倍速運転。

早いリズムの音楽がぴったりくるのでしょう。

寝起きだけは時間が停止しているようです。朝は脳も開店休業状態。

 

こだわりや常同行動は、落ち着こうとしていたり

安心するためだったり、本人が心地よい刺激を求めるためだったりします。

一緒に生活をする上で周りに迷惑になるようだったら

ルールを決めたりやっていい場所を限定したり

代わりの行動にすり替えて行くなりの工夫は必要ですが

そうでないものなら出来れば見守っていくのが良いのではと思います。

ただ禁止するだけではストレスが溜まってしまいますしね。

その子なりの心の調整をしている行動だと私は受け取っています。

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※追記※ 

 ブックマークコメントで場所によってやるやらないが不思議といただきました。

息子の場合は人見知りが激しく緘黙気味なこともあり、

自分の素を出せるのが家の中と親戚の家くらいなのが原因だと思われます。

娘の場合は自由に振る舞っていいところを直観でかぎ分けますので

(あくまで本人の直観なのでしていいところとは限らないのが難点)

学校ではあまりやっていないのだと思います。

時々常同行動や爪噛みや鼻ほじりが出ているようですがw

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