うちの子流~発達障害と生きる

発達障害を持つ子供たちとの日々をつづります。

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学校でなにかあったらどうしよう?不安と睡眠障害と行きしぶり

息子は自閉症スペクトラムを持つ小学4年生。(正式な息子の診断名は広汎性発達障害)

とても不安が強く過敏で疲れやすい子で、支援学級に在籍しています。小学2年から学校に行き渋りがはじまり、朝はいつもどおり起きてもなかなか学校に行けず、ほぼ毎日2時間目か3時間目に学校に送っています。

学校ともいままで何度もケース会議を開いてもらい、息子の学校での不安を取り除くためにいろんな工夫をしてくださいました。そのおかげでなんとか不登校まではいかずにぎりぎりふんばっている感じです。

 

学校に行けない理由のひとつ

それでも時々どうしても学校に行けないときがあります。体調に不安がある時です。熱がある、どこかが痛いなどはっきりした症状がなくてもなんかおかしいと思うと学校に行けません。そんな状態では病院につれて行くこともできないですが、とにかく本人が行けないので無理はさせず休ませていました。

「学校に行ってから調子が悪くなったらどうしよう・・・。」

この不安から行けなくなってしまうようです。息子は自分から人に声をかけることや助けを求めることが難しい上に、指示されたことを忠実に守ろうとするので、途中で出来ないと言うことがなかなかできません。その上、喘息を持っているので風邪っぽいと思うといつ発作が起きるかわからない不安もあります。

「調子が悪くなったら、先生に言えば保健室で休ませてくれるし、家に帰りたいといえば学校から電話がくるから母さんが迎えにいくよ。」

今まで何度か繰り返し説明してきたことを話しながらふと気がつきました。

(そういえばこの子は保健室を利用したことも、早退したこともないな。もしかして、やったことがないから言われてもイメージできずに不安で出来ないのではないか?)

自閉症スペクトラムの特性の一つに、見通しが立てづらい、経験したことの応用が効きにくいというものがあります。おそらくそれで言葉で聞いても具体的にイメージできず不安になってしまうのではないかと思いました。

母「ねぇ、一度、保健室と早退の練習してみない?」

息子「え?本当に調子が悪くなくても?」

母「うん、母さんが先生に話して、先生がいいよって言ったらやってみよう。実際にやってみないとどうしたらいいかよくわからないんじゃないの?」

息子「うん、よくわからないけど・・それってずるじゃないの?」

色々考えて不安は続くようですが、練習することで見通しは立ちそうな気配です。

 

早退の練習

早速息子を学校に送っていった時に、息子の前で担任の先生に事情を話し相談しました。

「そうか、やったことないとわかりにくいもんね!」

と快く引き受けてくださって、息子も一緒に保健室へ行き、保健室の先生にも話し承諾を得ました。

息子もその打ち合わせに参加することで、ちゃんと話は通ってるから大丈夫という安心を得ることができるだろうと思いました。これはずるではなく、今後安心して学校に行けるようになるための大切な練習なんだからと。

・5時間目が終わったら自分から先生に調子が悪いので保健室に行きたいと言うこと

・保健室に行ったら調子が悪いので帰りたいと言うこと

この二つを約束しました。

お昼過ぎ、学校から連絡があり迎えに行きました。

自分で言って保健室に行けたこと、保健室では体験で熱を測って、ベッドに少し寝てみて、それから帰る準備をしたとのこと。しっかり協力してくださる学校に感謝です。

帰宅後に感想をきいてみると、やってみたからこれから出来そうということでした。

 

キャパシティを守る

それからというもの、何度か朝に体調の不安を訴えてきましたが、自分から

「うん、辛かったら保健室に行けばいいんだから大丈夫」

と暗示をかけるように言って学校に行けています。早退練習は成功したようです。

息子は現在支援学級在籍ですが、中学は公立中高一貫をめざして受験する予定でいます。そうなると5年生からの内申書が必要となるため、それまでには朝から学校に行って授業をうけるという目標があります。そのために本人もちゃんと行きたいという意識をもっています。それでも無理なときは休ませます。

息子に対する私のやり方は、一般の子育てからいうとかなり甘やかしているように見えるかもしれません。同じ自閉症を持っていても娘の場合はパワフルでキャパも大きいのですが、息子のように過敏で不安に飲み込まれてしまうタイプはキャパも非常に小さく、育てている実感として二次障害(うつ病など)にとても近い位置にいるのだろうなと感じます。実際に不安を抑えるためルボックスという抗うつ剤も処方されています。本人も状況に甘んじているわけではなく、精一杯がんばってこの状態というのが見ていてもわかるのです。なのでキャパオーバーしないぎりぎりのところで調整しつつ本人の成長を待っています。

 

学校に行きにくいもう一つの理由、睡眠障害

息子が朝学校に行きづらい原因のひとつに睡眠障害があります。不安が強いため夜布団に入るといろんなことを考えてしまい眠れなくなってしまうこと、元々大人しい子ですが夜になるとなぜかテンションが上がることが多いなどで、なかなか眠りにつけません。小さい頃からこの傾向がありました。

そのため朝おきても、中途覚醒や眠りが浅いなかなか寝つけないで寝不足の状態。なかなか動けないのです。

息子のように睡眠に問題を抱える発達障害児は多いようです。

不安の強さもあり眠りにくいためにリスパダールやエビリファイ(感情の起伏を和らげ副作用で眠くなりやすい薬)を処方されていましたが、なかなか息子に合わず中止になりました。リスパダールは副作用の食欲増進で急激に太って、エビリファイは無性にイライラするアカシジアという副作用がでてしまいました。

(同じ薬を娘も処方されていますが、娘のほうは問題なく薬が合っています。)

その後、メラトニンという眠くなるサプリメントを病院で処方してもらい、これが息子にヒット。すんなり眠れる日が増えました。

メラトニンは本来、脳の松果体から分泌される体内時計を整えるものです。

メラトニンは薬ではなくサプリメントですが日本では販売されておらず、個人輸入するしかありません。アメリカでは昔からドラックストアなどで一般的に売られています。私も昔個人輸入やアメリカに旅行に行ったときに購入して飲んでいたことがあります。飲んでしばらくで自然と眠気がきて入眠しやすくなります。

ただ、個人輸入で手に入れても子供に対しては適切な量がわからないので、病院の先生に相談するほうが安全です。サプリといえども効果があればなんらの副作用が出る可能性があると考えるのが自然かと思います。うちの子供たちのかかっているところのように病院で出してもらえる場合もあります。

処方薬ではロゼレム(ラメルテオン)という薬がメラトニン受容体作用薬として似たような働きをするそうです。息子は現在飲んでいるルボックスとロゼレムが同時処方できないためにサプリメントでとっています。

nanaio.hatenablog.com

 

睡眠障害の軽減と不安のタネがひとつ減ったことがよかったのか、なんと息子が遅刻せずに自分で学校に行ける日が増えてきました。わが家にとっては2年ぶりの快挙です。

このまま続いてくれるといいなぁと願いつつ、今後も様子をみていこうと思っています。

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