うちの子流~発達障害と生きる

発達障害を持つ子供たちとの日々をつづります。

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発達障害であると子供自身に教えること、本人告知について。

キラキラさん(id:bling-bling-blingさん)の

息子さんへ発達障害の本人告知をなさった時のエントリーを読ませていただきました。

うちも子供達に発達障害の告知を済ませてありますが

キラキラさんはすごい勉強されてから綿密に計画を練られ、準備を進めて

タイミングを見計らってから告知をされていらっしゃいます。

準備もソーシャルストーリーを学ばれてから

パワーポイントでプレゼンテーションされていらっしゃる。

すっごいわー!!とただひたすら感心しました。

それほど、告知は神経を使うものなのだなあと改めて思いました。

本人の人生にとってとても大きな意味を持つことですもんね。

 

自分の生き辛さ、世間との食い違いの正体を知ること。

工夫や支援というステップに

より潤滑に進み、受け入れることが出来るようになるために

自己理解は非常に重要になってくると思います。

一人の人間としてのアイデンティティを確立するために

自立をしていくためにも必要なものだと考えます。

(そこに診断名が必要かどうかはケースバイケースだと思いますが)

 

うちの告知は診断後間もなくの、娘は5歳の時、息子は4歳の時でした。

告知についてうちは主治医と相談はしておらず

私の勝手な判断でした。

告知でマイナスになるとすれば、「障害」と言う言葉のイメージと

差別や偏見というものから来るショックなのではと思います。

治らない障害だから頑張っても仕方がない、

自分はダメだと自暴自棄になる。親としてはなんとか避けたい状況です。

私は子供達がまだ小さく、差別や偏見を知る前に

皆は右利きだけど自分は左利きと同じような当たり前の感覚で

自分の特性と障害を受け入れて欲しいと思いました。

小さい頃ならさほど告知のハードルは高くないだろうと思ったのです。

なので子供の方から「なんで療育に行くの?」という疑問が出た時に

チャンスきたー!と即告知をしました。

もちろんまだ小さいので言葉や喩を選び、本人にわかる形での告知で

段階を経て診断名や特性などを説明していきました。

なのでうちはキラキラさんのように綿密な計画も準備もしていませんでした。

うちは幼児だったから出来たことで

既に周りと自分との違いに気付き始めた年齢では難しいのかなと思います。

 

座談会で保護者の方々とのお話で聞いたことなんですが、

告知をしていなくても、ある程度の年齢になると

自分で気付いて知っているケースもよくあると聞きました。

親の本棚に並んでいる本のタイトルで薄々気づいても

思春期が近くなるとあえて自分から親に尋ねたりしない場合もあるだろうと。

支援学級では子供同士で「薬、なに飲んでる?」と会話してたり。

高学年にもなれば自分がなぜ支援学級に在籍しているかは

告知がなくとも気付いている場合が多いでしょう。

通常学級に在籍している場合でも、通院すれば病院に

「小児精神科」「発達心理」「療育」などの言葉が並んでいます。

気付くチャンスはいくらでもあるでしょう。

うちの子供達がかかっている病院では別室ではなく

子供に最初に話を聞き、その後同室のプレイスペースで遊ばせている間に

保護者が主治医と話をします。

幼児でもきっちり話は聞いていたようで、

5歳で娘に最初に告知した段階で

主治医と話していた専門用語が娘の口からも出てきましたし。

今ではスマホなどインターネットにつなげる環境があれば

子供でも簡単に検索し情報を得ることは出来ます。

下手をすればネガティブな情報に行き当たり

子供ゆえに鵜呑みにしてしまうケースも出てくると思います。

 

告知をする、しない、するならいつどういう形で行うかは

それぞれのご家庭の考え方や、お子さんの状況によって違うと思います。

そこに診断名が必要かどうかもまた違うと思います。

主治医の先生と相談されて、お医者さんの方から告知をしてもらう

ケースも聞いたことがあります。

お子さんの年齢やタイプによって家族からよりも

受け入れやすい場合もあると思います。

 

本人告知の目的は、自分を知ることにより

前向きに自分の特性との付き合い方を考えられるようになるための

第一歩を踏み出すこと。

大切なのは告知の後、工夫や支援によりスムーズに結びつけることなのです。

告知によるメリットが考えられる状況にない場合は

必要なものではないと思います。

なのでキラキラさんがおっしゃるように

支援や工夫によって本人がうまくいっている、落ち着いている状態で

タイミングを見計らい準備を整えて告知することは

一番本人も受け入れやすい理想の形なのだと思います。

 

しかし、別のパターンも考えられるとちらっと思うのです。

例えば発達障害の特性によるトラブルで

「皆出来るのになんで私はこれができないんだろう・・」

「どうしてこんなことやってしまうんだろう・・」などと

本人が自分の努力不足など自責の念に囚われている場合、

告知で障害ゆえの事と知れば、それから解放されることも考えられます。

本人ではありませんが、私は子供の障害を主治医から伝えられた時に

ショックと同時に「育て方のせいじゃなかったんだ」という

自責の念からの解放された感覚がありました。

成人当事者の方に診断がつき、今までの生き辛さの原因がわかったことで

自分のせいではなかったとほっとされたり

今までの事が腑に落ちたりされる方も多いと伺います。

原因がわからなければ、適切な対応を探すことも困難ですし

どうしても努力不足などの根性論の方向に行きがちで、

その結果、自分はダメだと自己嫌悪に陥ってしまう場合が

多いのではないでしょうか。

まずはそこから解放してあげること、

「あなたのせいではないんだよ。」と。

そして困難を楽にするために工夫や支援など方法はたくさんあることを伝え

支援につなげることも、告知の大きなメリットだと思うのです。

何のために工夫や支援を受けなければならないのか

本人が納得していない場合、拒否したり続かなかったり、

本来の効果を得られないこともあると思います。

 

私自身が振り返れば結構「困っていた」子供で

自分の子供に発達障害の診断がつき色々学んでいく中で

自分の昔の困り事の原因があ~、こういうことだったのか、と

気付くことがいっぱいあるんですね。

(私自身は傾向があるとは思っていますが未診断です。)

当時はそれを困っていると自覚はしておらず、

ただ、自分はなんでみんなのようにうまく出来ないんだ、

自分はのろまでダメなんだと思っていました。

もっと早くそのことを知っていれば自分を責めずに生きてこられたかなぁと。

それと同時にこういう工夫があれば、こういう手助けがあれば

自分の人生がもっと違っただろうと思うことは山ほどあります。

 幼稚園くらいの頃には、なんか周りの子供達と自分の興味が違うことに気付き

子供達の話は幼稚でつまらなく、大人の話ばかり聞いていた子供でした。

すでに違和感を感じていたのです。

 

私が子供達に早々に告知をしたのは

自分自身だったら出来るだけ早く知りたかったから。

自分を責めるような無駄な時間や努力を子供達に出来るだけさせたくなかった。

ずいぶん前ですが、同じくうちの障害告知のことを書いた記事です。


 今では子供達も積極的に発達障害などにまつわるテレビ番組を一緒に見たり、

娘は自分を知ることにとても興味を持っているので

自己理解のために発達障害関係の本をよく読んでいます。

時折、本に書いてあった工夫を自分から進んでやり始めることもあります。

 

こちらの本は子供でも読みやすく理解しやすかったようです。

告知してすぐに読んだ本です。

ふしぎだね!?アスペルガー症候群(高機能自閉症)のおともだち (発達と障害を考える本)

ふしぎだね!?アスペルガー症候群(高機能自閉症)のおともだち (発達と障害を考える本)

 
ふしぎだね!?ADHD(注意欠陥多動性障害)のおともだち (発達と障害を考える本)

ふしぎだね!?ADHD(注意欠陥多動性障害)のおともだち (発達と障害を考える本)

 

 このシリーズは他に自閉症や学習障害、知的障害、言語障害、

身体障害、てんかん、ダウン症、聴覚障害、視覚障害などたくさんあります。

 

あたし研究

あたし研究

 

 これは成人当事者の方が子供の頃から振り返って

ご自分の事を書かれた本です。イラストも多いので読みやすく

娘もここは違うけどここは同じだ~!と共感することも多かったようです。

その他、うちの本棚の一部をこちらにまとめてあります。

うちの子流セレクト - 発達障害と子育ての本

発達障害の本のほか、SSTや支援グッズ、こどもの学習のカテゴリもあります。

 

キラキラさんがご紹介されていたこちらの本も読んでみたいな~と

思いましたがうちはもう告知済みだったと^^;

これから告知をお考えの方はいかがでしょうか。

自閉症・アスペルガー症候群「自分のこと」のおしえ方 (ヒューマンケアブックス)

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 障害の本人告知は、お子さんのタイプや状況によって

一概にこれがいいと言うものはないと思います。

自分の特性や障害を知識として知ることが

そのお子さんにとって明るい未来に繋がるよう

よりよい支援に繋がるようあって欲しいと願っています。

 

※追記※

本人告知はタイプによってはしない方がいい場合もあるそうです。

うちは勝手な判断で告知をし、結果オーライでしたが

主治医の先生や周りの専門の方と、ご相談の上で考えて頂けますよう

宜しくお願い致します。

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